昨日『顏剃』について書きためていた記事を見返していてある出来事を思い出したので書きました。
みなさんは『理容室』ってどんなイメージを持っていますか?
街の床屋さん、おじさんが行くところ、古くさい、堅そうな感じ、刈り上げ、パンチパーマ、アイパー?笑
僕も15年程前のカリスマ美容師ブーム真っ直中の世代なので自分が『理容師』になってもみなさんが思っているようなイメージを持っていました。
僕は高校卒業後北海道を飛び出し『カリスマギャル男理容師』笑を目指し埼玉県にある大手理容室へ就職したんです。
根性なしだった僕は半年ほどでそのサロンを辞め北海道へ戻り地元のサロンで勤め始めました。
地元のサロンでの初日『よろしくお願いします!』と挨拶し、先生が『ここが君の道具置き場だから入れなさい』とハサミやらコーム、剃刀を整理していたら突然先生が『なんだこれ?』と。
僕は『ソり子ちゃんです。前の理容室で使っていました。』
※ソリ子ちゃん(商品名なんですよ!)
すると先生は『こんなものプロが使う道具ではないだろう!!』
と、初日から怒鳴られた記憶があります。ようは剃刀一本で剃れ!ということ。
※これが一般的な剃刀。
以降数年先まで永い眠りにつくことになってしまった『ソり子ちゃん』。
ここで『ソり子ちゃん』の説明をさせてください。替え刃を装着して使う剃刀の一種なんですが刃が二枚刃になっていて誤って肌を切る事もないですし、お肌へのあたりもソフトなので肌の弱い方への顏剃りにも向いています。
お髭の濃い方への顏剃りにはもってこいでレザー(一枚刃の剃刀)で剃るよりはるかにダメージが少なく深く早く剃ることもできます。
なんて便利なアイテムなんでしょう。僕はこの子が大好きで今は現役バリバリで活躍してくれています!!
話を戻します。
何故先生は『そんなものはプロが使うものではない』と言ったのか。
そもそも理容師のみに許された『顏剃』なんですが基本はレザー(一枚刃)で剃るんですよ。一枚刃のため肌に刃をあてる角度やちょっとしたミスで切れます(出血)。超繊細な技術が求められるのです。理容学校でも基本はレザーで剃ると習いました。
それが昔ながらの慣習。
でも時代は進み今では…
こんな手のひらサイズのコンパクトなものまで登場しています。
こんなに便利なアイテムが次々と出ているのに何故使わないのか?
堅いプライドです。
『理容師の悪しき慣習』です。
先生は顏剃りはレザーで剃るものって師匠から教わってきたからそういうもんだって思いこんじゃってるんでしょうね。
そしてそんな物は邪道だと吐き捨てる。
僕はまだ見習いの身だったので何も言えずレザー一本でお客様の顏剃りをしていました。
失敗は数知れずお客様の肌を切りまくり、剃刀まけを起こすような剃り方をしてしまい、子供の耳をおもいっきり切ってしまったり…
ほんとに申し訳なく思っております。
でもこの失敗があったからこそ『顏剃りスト』としての今の僕があるわけでありがとうございます。
今だにレザー一本で剃っている理容師さんいますよね?特にベテランの方々。
思ったんですよ。
家の掃除をするのに昔は箒を使っていましたが今は掃除機やルンバを使いますよね?
洗濯機するのも昔は桶に水をためて洗濯板でゴシゴシしてましたけど(例えが古すぎたか笑)洗濯機が登場し、今や全自動洗濯機みなさんの家庭にありますよね?
じゃぁなんで理容師の顏剃は今でもレザー一本なのでしょう?
なんでより便利で清潔で手軽でお客様の肌にも優しいっていうのに使わない。
おかしいです。
kajiji
freepeace代表
0コメント